典雅蒔絵漆塗花器 CONCEPT

デザイン:河内晋平

塗 師:青木伸介

TENGAを花器にした理由

花は美しく妖艶であります。それらを引き立てる器となる花器も花の美しさを引き立てる相応の佇まいが必要になります。これまでの人類の歴史上様々なメタファーとして使用されてきた「花」を受け止める花器をTENGAというプロダクトで受け止めることは、より日本人的な感性に基づくものかと思います。
それは、身の回りの品を様々な角度から見立てることで、生活をより良く彩る品として使用できるという日本人ならではの感性かと思います。

今作品へのデザイナー河内晋平と塗師青木伸介の想い

手に持つということを前提に作られているTENGAは制作していても非常に納まりが良く、花器としては日本の住空間にあうものかと思います。
また、手にもつという行為を想起させるデザインは、自然と身体感覚をアフォードし、視覚的な見栄え以上の身体的な感覚に刺激を与える作品となっています。

伝統工芸とは

伝統工芸の職人により制作される品の美しさは、「用の美」という言葉に表されるかと思います。使うという生活の中で美しさが発現し、それらの美しさを極限まで高めることに伝統としての技の深い味わいがあります。

漆塗りとは

漆の木から取れる樹液を使用した古代から続く塗装技術です。日本国内には漆の産地が多くあり、それぞれの産地でそれぞれの技術が発達し、受け継がれています。そのために漆塗りの中には、蒔絵、螺鈿、変塗など様々な表現が存在します。ヨーロッパではjapanと呼ばれるぐらい、日本を代表する伝統工芸技術です。

工芸品の成り立ち

工芸の世界は分業制で成り立っている世界です。芸術家とは違い、それぞれの職人の技を合わせて一つの工芸品を制作します。多くの職人がそれぞれの極めた技を集約することで出来上がる作品です。現代ではその分業制の中にデザイナーという職種が加わり、より可能性を持った表現が行われています。