VOICE #53 田中 圭一(漫画家)

TENGA
VOICE
#53

田中 圭一

「『下半身がすっぽりはいるTENGAが欲しい』って書いた事があるんですけど…」

田中 圭一
(漫画家)

『サイゾー』や『コミック乱TWINS』などで連載を持ち、手塚治虫氏のパロディ絵柄と独特の切り口でシュールな下ネタギャグを繰り広げる漫画家 田中圭一さん。特に、『Gのサムライ』ではオナニーに並々ならぬ熱意を傾けるキャラクターが描かれ、TENGAファンからも熱い視線を浴びています。漫画家と並行して、サラリーマンと大学教授も務める超多忙な田中先生に、学生時代の甘酸っぱい思い出からお気に入りのずりネタまで赤裸々に語っていただきました。

田中先生の作品は、やたらと登場キャラクターがオナニーをしているシーンが盛り込まれていますが・・・

「SEXってある意味リア充な人がすることじゃないですか?おそらく読者は他人が幸せそうにしているところを見せられても面白くないだろうし、男って、人生一度は『どうすればより興奮するかを考えては試す』みたいなアホな実験をしていたりするんですよ。十代の頃なんて今思うと、何でこのエネルギーを受験勉強に使わなかったんだろう・・・ってくらい真剣に取り組んでいるわけです。むしろ、そんな風にひとりでやっている時の方がギャグとしても馬鹿な状態が作りやすい。高校生の頃は、男ばかり集まって週末の夜に友達の家に遊びに行っては、『俺、こんな事やったら凄く興奮したよ!』って話をしたもんです。例えば太ももに挟んで締め付けてみるだとか、立った上体で、走っているように左右の太ももを交互に動かしてオナニーしてたら2階がドタドタとうるさくて親にすごい怒られたとか・・・」

十代の男子は研究熱心ですね。

「僕も色々考えましたよ〜。当時、日活ロマンポルノやポルノ系映画を主に取り上げた雑誌があったんだけど、毎回結構大きなポスターが付録に付いてまして、女の人が裸の写真がでかでかと載っているわけです。それを部屋の壁に貼って、ポスターの前で自分も服を脱ぎながらオナニーをすると興奮するって事を思い付いたり(笑)そんな馬鹿な事を日々一生懸命考えていました。やっぱり人がひとりでシコシコと工夫している時って、本人は真剣でも傍から見ると面白いんですよね。」

学校や教室を舞台にした作品が多いですが、田中先生自身はどんな学生だったんですか?

「昔から漫画が好きで小学生の時にはノートに自作の漫画を書いていました。中学高校に上がってからはクラスの面白い奴系のポジションにいましたね。関西ってやっぱり面白い奴が人気だし女の子にもモテるので、容姿以外で挽回のチャンスがあるとすれば、『ギャグセンス』なんです。しかも容姿と違って努力でなんとかカバーできる世界なので、みんな必死で腕を磨いて競い合うんです。」

その頃、何かお気に入りのオナニーネタはありましたか?

「中学校と高校の計6年間で練り上げた、一部二部に渡る『大河ずりネタ』ってのがあります。大河というからには、ひとつのストーリーを軸に頭の中で毎日少しずつエピソードを進めていく長期に渡るドラマなんですが、舞台は宇宙空間を飛ぶ巨大な宇宙船で、その中に多くの人間が冷凍睡眠されているんです。」

SF作品なんですね。

「地球はすでに滅んでいるんですが、宇宙船に乗った人類をどこか別の星へ移してまた繁殖させる目的で、人類の種を絶やさないために飛んでいるんですね。それだけ言うと何だかカッコイイ感じなんだけど、問題はそんな何万光年の距離を飛ぶ間、人間はみんな冷凍睡眠で眠っているし、別の星に移動したところで繁殖の仕方を忘れてしまってはいけない!という事で、常に男と女一人ずつが冷凍睡眠から覚めて繁殖の仕方を継承していくっていうルールがあるんです。」

それは興味深いです。ぜひ具体的に教えてください。

「まず中学3年間の間、僕は『教えられる側』にいて、年上の女の人が毎日色々と教えてくれるんです。今日はこれ、明日はこれ・・・って感じで、そのお姉さんによって徹底的にテクニックを叩き込まれる。だけど中学を卒業するタイミングで、そろそろ自分も高校生になる事だし、このシリーズは一旦終わりにして何か別のシリーズを考えようと思って他のネタも色々試してはみたんですが、他に長続きしそうなネタがなかなか出なくてですね〜。その代替案として考えたのが、宇宙船が隕石か何かに当たって航行が一時不能になって機能も麻痺してしまって、そのお姉さんが死んでしまうと。そして、お姉さんが死ぬ間際に『これからは貴方が教えてあげる番よ・・・』て言い残してボタンをプシュッと押すと、冷凍睡眠装置がひとつバシャッって開いて、今度は何も知らない中学生くらいの女の子が出てきて、高校の3年間は『教えてあげる側』にまわるという事にしてシリーズを継続していました。」

壮大な物語ですね!

「これが中学高校と十代の大部分を費やした僕の一大オナニーライフです。大人になって漫画家仲間にこの話をしたら、『田中さんそれおかしいよ。普通はそんなことしないから!』って言われました。でも漫画家ってね、お話を考えてナンボの商売じゃないですか?きっと彼らも恥ずかしくて隠しているだけに違いないと思っているんですけどね(笑)」

「Gのサムライ」でも、腹上院魔手麻呂(ふくじょういんましゅまろ)と品場諸朝(しなばもろとも)が色々な方法で自慰に励んでいますが、一生懸命になっている姿が滑稽でおもしろいですよね。

「もうそれしか頭にない二人ですからね。他にもっと考えるべきことがあるだろ!と。でも、童貞を失いたいって奴らがいかに馬鹿な事をするかっていうのをテーマにした漫画ですから。達成しちゃうと連載が終わってしまいますので、いかにしそうでさせまいかってところがポイントですね。ギャグ漫画家の性として、どんなものを使えばより馬鹿馬鹿しいかを日々考え、編集の人と顔を突き合わせて打ち合わせしています。舞台が無人島だからこれはあり得ないよね〜とか、これは存在しちゃいけないだろうとか。だから島の中とか海から漂着するものや、その時の時代背景を考えて、ストーリーに利用可能なものってなんだろうって話をよくします。」

Gのサムライ(リイド社)

Gのサムライ(リイド社)

かなり以前からインターネットやSNS、電子書籍などのIT系のトレンドに目を向けてうまく活用している印象がありますが、漫画家と並行して会社務めをされている事と関係があるのですか?

「もともと最初に就職した会社が大手のおもちゃメーカーだったんです。入社して10年目くらいかな?任天堂のファミコンの大ブームが去って、次にSONYのプレステとかセガサターンが発売されて、テレビゲームってのが子供の遊びの中でかなりのウエイトを占めて、大人まで夢中になってた時代だったので、これからはプラスチックの塊のおもちゃじゃなくてデジタルデータなんじゃないか?と思ってゲーム会社に転職しました。そこで5年働いて、次はゲームを作る上で必要なソフトウェアとかアプリケーションに興味が移ったのでまた転職をして・・・って感じで興味の赴くままに転職していった結果、ITの最先端の会社を渡り歩いていたんです。本来、漫画家のみをやっている人間であれば努力と勉強をして体得すべき知識が、仕事で必要だからって普通にお給料をもらいなから手に入る環境にいたわけです。だから『ユビキタスネットワーク』だとか、『クラウドコンピューティング』なんてのも、机に向かって本で読んだんじゃなくてその情報がないと仕事にならなかったんですね。電子書籍に目を向けたのも、出版業界の現状やテクノロジーの現場みたいなのを見ていて、これからは紙じゃなくてデジタルで本を読むようになるだろうって思っていたら実際にその波が来ている感じです。」

TENGAを知ったのはいつですか?

「初めて見た時は、とうとうこんなのが出てきたんだ!と驚きました。その上、制作のコンセプトをよくよく読んでみると、かなり真面目に取り組んでるじゃあないですか?実はちょうど僕らが中学生くらいの頃って、女性の生理用品のテレビコマーシャルが放送できるようになった時期でもあるんですね。それまで、ああいった用途の製品のCMをテレビで流すなんてあり得ない時代だったんだけど、70年代のウーマンリブとかの影響で、『何でこれが恥ずかしいの?生活必需品じゃない!』って風潮になって、今では当たり前に放送されている。これは女性用の話だけど僕らだって、何でこそこそとエロ本を見たり、親の目から隠れてやらなくちゃいけないんだろうと常々感じてました。男に生まれたからには自然な欲求なんだし、堂々とCMとかやってくれりゃあいいのに!って。TENGAは、あくまで真面目に『男性にはこういうモノが必要で、必要だから真剣に作りました』って体じゃないですか。おしゃれなパッケージで、これは別に後ろめたく使うもんじゃないでしょ?ってコンセプトにも大いに共感出来ました。」

こんなTENGAがあったら!というアイデアはありますか?

「以前、『下半身がすっぽりはいるTENGAが欲しい』って書いた事があるんですけど、ちょっとそれは商品化が難しそうですね。では、部屋の内壁が全部TENGA内部の素材で出来ていてローションも塗られていて、ホールに入れるというより、壁にくっついて部屋中走り廻ると気持ち良くなれる『TENGAルーム』なんてどうでしょう!?畳一畳分くらいの幅がずっと続いていて廊下みたくなっている。細くて長い方が走り甲斐があるし、何往復もしているうちに横走りも上手くなる(笑)体力もついて一石二鳥でしょ!」

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田中 圭一

田中 圭一
1962年5月4日生まれ。
大阪府出身。
血液型A型。

手塚治虫タッチのパロディー漫画『神罰』がヒット。著名作家の絵柄をまねたシモネタギャグを得意とする。また、デビュー当時からサラリーマンを兼業する「二足のわらじマンガ家」としても有名。

・著作
リイド社 乱TWINSにて「Gのサムライ」を連載中
ぐるなびのマンガコーナー「みんなのごはん」にて「ペンと箸」を連載中

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