TENGA VOICE

藤森 元生(ふじもり げんき)

#68

藤森 元生 SAKANAMON

TENGAの音と息遣いに、一番感動しました

縦横無尽に日本語が躍る歌詞と、予測不可能な曲展開で、唯一無二の音楽をつくるスリーピースバンド「SAKANAMON(サカナモン)」。今回は作詞作曲のほとんどを手掛ける藤森元生さん(Vocal/Guitar)が登場! 結成9周年の思いを込めたミニアルバム『cue』(読み:キュー)のことから、性の目覚めについてまで、たっぷりと語っていただきました。

結成9周年、ミニアルバム『cue』発売おめでとうございます。早速このアルバムについてお聞かせください

「ありがとうございます。1年ぶりに出したミニアルバムだったので、レーベル移籍とか、色々な転機がありつつ、ようやく皆さんのもとに届けられた6曲というかんじです。毎回アルバムコンセプト的なものはあまり考えてなくて、その時々で思ったことをそのまま書いて、それが結果的に良いかんじにまとまっているというイメージなんです。ただ今回は、この転機をテーマにするしかないだろ!くらいの気持ちでみんな臨みました。」

普段は曲をつくる過程でテーマを決めることが多いんですね。

「そうですね。一回曲が出揃ってから『これはどういうテーマ?』とみんなで探すことのほうが多いです。」

確かに、SAKANAMONのアルバムは色々なテイストの曲が入っている気がします。

「そこは意識してます。僕の永遠のテーマなんですけど、iTunes上でレートを付けてつくる(お気に入りの曲に最大5つ☆マークを付ける)、自分のプレイリストみたいなアルバムにしたいんです。この人の一番いい曲と、ほかのバンド、ほかのアーティストの一番好きな曲だけを集めたプレイリストみたいな。ノンジャンルで、ただ良い曲を集めた、みたいなのを目標にアルバムをつくっています。だからなるべく曲調も幅広く入るように意識しています。だからそう思ってもらえるのは『してやったり』というかんじですね。」

 いつも色々な表情を見せてくれるSAKANAMONの音楽ですが、『cue』は本当に新しい表情が見えたなと思います。リードナンバー「テヲフル」で、“ラブソングを作ろう”という歌詞が出てきたのがすごく意外でした。

「普段なら言わないですね。9年バンド続けてきて、やっと今だから言えるかんじがするというか。今だから、みんなに“ラブソングを作ろう”って言っても、意図があるように聴こえるんじゃないかと。リリース一発目で“ラブソングを作ろう”とは絶対に言えなかったと思います。普段相当斜に構え続けてたんで、一回ちゃんとストレートに、フィルターを通してないかんじのがあると、くるんじゃないかと(笑)。」

ラブソングでも、一方的に憧れているシチュエーションが多いですよね。両思いの状態とか、恋人同士の状態っていうのはあまり書かれないんですか?

「ああ……たしかに……付き合ってる前提で、とかないですね。やっぱ“リア充”が嫌いなんでしょうね(笑)。」

恋愛の話やエッチな話を、メンバー同士でされますか?

「下ネタはガンガン話しますよ。でも僕発信が多いですかね、森野さん(森野光晴/Bass)から性癖の話とかまったく聞いたことないし、キムさん(木村浩大/Drums)もエロな話はあんまり言わないですね。ふたりとも学生からの付き合いなんですけど。」

 学生の時なんて、よくそういう話になるかと思いますが……。

「僕、性の目覚めが遅かったんですよ。中学生の時とか、一切オナニーしたことなくて。中学校卒業して初めてしたんですけど、その後もほとんどしてなかったです。超自意識過剰で、『こんなことする自分はだめなんだ』っていう意識があったんですよね。
中学生くらいの盛んな時期とか、やっぱりみんなそういう話するじゃないですか。でもそういうのもなるべく避けて、『俺はそんなに汚らわしくない!』みたいな気持ちがありましたね。そういうのに興味ないヤツのフリをしてたんです(笑)。インターネットで(エッチなことを)検索するのすら恥ずかしいんですよ。自分の性癖を打ち込まなきゃいけないじゃないですか。それがもう恥ずかしくて。だから検索コマンドに小文字の『h』だけ押して(笑)。それが精一杯だったんです。
でも、はたち超えてから性に目覚めたんですけど、そこからもうパーン!と弾けましたね。遅れてきた思春期って言われてました。」

それでは童貞を捨てた時は、それはそれは感動的だったのでは?

「『40歳の童貞男』って映画あるじゃないですか。あれ、最後は歌って踊って終わるんですけど、あんなかんじです(笑)。自分のこと、死ぬまで童貞だと思ってたんで。」

 性の目覚めとともに、オナニーも?

「そうですね、その時期からガンガンに(笑)。」

 TENGAもそれまで使ったことはなかったですか?

「なかったですね。東京来てからTENGAのことを知って、最初は『これなんだ?』って。そんなエッチなグッズだと思わなくて。友達と『これって、ここに穴あいてんだぜ』『マジかよ!』みたいな会話をしてました。」

 はじめてTENGAを使ったのはいつですか?

「デビューしたての頃、以前の所属レーベルの先輩から、ちょっといただいて。『はあ~~(感嘆)』ってなりました(笑)。」

使った時の感想は?

「びっくりしました!このかたちから想像できないくらい、中が柔らかくて。『なんだこの素材!?』って。昔、こんにゃくとかカップ麺とかあったじゃないですか。それを試みたことはあるけど、全然ちがう。これヤバイぞ!と。俺はここ(空気穴を押さえる)が大好きで……。吸い付きというか、音と息遣いが、すごくて。コォポ!プシューッ!みたいな(笑)。このTENGAの音と息遣いに、一番感動しました。」

お気に入りのTENGAは?

「やっぱりスタンダード(ディープスロート・カップ)が一番好きかもしれないですね。」

最後にSAKANAMONファン、TENGAファンへひと言!

「TENGAとSAKANAMONって似てるなと思っていて。TENGAは一見とてもスタイリッシュな出で立ちで、みなさんの目を楽しませつつ、でも開けて中の奥まで楽しもうとすると、すごく気持ちがいい。変態性と生々しさが楽しめるんじゃないかと。僕らはメロディで耳を楽しませつつ、歌詞でギャップを出しているので、そこに通ずるものを感じます。
だから、アダルトグッズも音楽も、手を伸ばしにくいという人たちもいると思うんですが、いざハマったらすごく楽しい世界なんで。ぜひ手に取って、耳に挟んでみてくださいと思います。」

 

<クレジット>
Photography by きるけ。

 

<最新アルバム>
4th Mini Album
cue
¥1600+TAX

 

 

藤森 元生(ふじもり げんき)

藤森 元生(ふじもり げんき) SAKANAMON

ロックバンド「SAKANAMON」のボーカル、ギターとして活躍。
1988年3月6日 宮崎県生まれ。

「聴く人の生活の”肴”になるような音楽を作りたい」という願いを込めて”SAKANAMON”と命名。 2009年より現在の編成で都内を中心に活動開始した、藤森元生(Vocal/Guitar)、森野光晴(Bass)、木村浩大(Drums)の3ピースギターロックバンド。 2011年にリリースした1stミニアルバム「浮遊ギミック」が話題を呼びスマッシュヒット、翌年リリースの2ndミニアルバム「泡沫ノンフィクション」と共にロングセラーとなっている。
2012年12月5日初のフルアルバム「na」でメジャーデビュー。2017年5月10日にshibuya eggmanのレーベルである「murffin discs」内に発足した新ロックレーベル「TALTO」よりニューミニアルバム「cue」のリリースが決定!
日本語の解体と再構築を自由自在 に繰り返し紡ぎ出す独特のシュールな歌詞世界に、中毒性の高いポップなメロディーはまさに“肴者世界”。“サカなもん”という摩訶不思議なマスコットキャラクターを従え独特のライヴパフォーマンスを展開中。

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