VOICE #50 森田 隼人(焼肉店「六花界」オーナー/建築デザイナー)

TENGA
VOICE
#50

森田 隼人

「TENGAをプレゼントしてくれる子のTENGA診断みたいなのを勝手に自分でしちゃいますね(笑)」

森田 隼人
(焼肉店「六花界」オーナー/建築デザイナー)

今回のTENGA VOICEは、2.2畳の激セマ立ち飲み焼き肉の六花界(ろっかかい)からスタートし、完全予約制・対面料亭スタイルの初花一家(はつはないっか)、女性限定の吟花(ぎんか)、そして4店舗目の熟成肉角打ちの五色桜(ごしきざくら)と、焼き肉店の常識を打ち破り続ける森田隼人さんに、お肉とエロスについて思う存分質問させて頂きました!

焼き肉店は森田さんにとってどんな存在ですか?

「形態は違いますが、現在ある4店舗の焼き肉店、この全てが僕にとっては”舞台”なんです。そして”焼き肉”っていうのは僕もお客さんと同じ立ち位置で観ていて、”演者”さんですね。
全てが僕らの舞台の中を演出してくれるもので、全員が主役で、全員が観客。そして牛というものを捌いた時に分かれてくる40個の部位を僕が焼き肉をもって、この4店舗で一つ一つ演者さんとして、お客さんに見て・食べて頂いて、喜びの感嘆を上げて頂き、次の演目として期待して頂くもの・・・簡単に言うと僕の中ではそんな”舞台”だと思いますね。」

舞台というと、お芝居だったり、音楽だったり、落語だったり色々あり、普通は焼き肉を舞台としては選ばないと思うのですが、なぜそこで焼き肉を?

「僕はプロボクサーだったんで、お肉というのは凄く贅沢なものだったんですね。食事の素材として何が一番ボクサーが喜ぶかというと、血湧き肉躍るというぐらい肉っていうもの、タンパク質というものに、物凄く注意を持っていきます。タンパク質の中にはグルタミン酸というアミノ酸があって、このアミノ酸は脳の中に神経的に『美味い』、ということだけを感じさせる物質なんですよね。このグルタミン酸を取るためには、いったい何なのかというと、魚じゃダメなんですよね。『肉』。やっぱり『牛』なんですよね。この牛っていう物のインパクトを、その舞台の上に上げてあげる。
僕が舞台に立つ選択肢としては、ボクサーという舞台に立っても良かったわけです。歌手でも構わない。他にも色々あるんですが、食材を舞台化するっというカテゴリー、特に焼き肉においては世の中になかったはずなんですね。では自分がパイオニアになって、肉達を舞台に上げてやろうと。 元々お肉はどちらかというと廃頽された歴史があります。特に部落の方々が捌かれてきたとか、命を娶るっていう事とか。そういう歴史の中で、彼らにスポットを当てるということは多分僕にしか出来ひんなって思ったんで、初めてのお店”六花界”をやる時にも、『肉』を選びましたね。」

深いですね。表現の手段としては視覚、聴覚をもってくるのが普通ですよね。そこに味覚を持ってきたのは、お客さんとしては新しい体験になったかと思いますが、最初からそこを狙ったんですか?

「そうですね。先にこの感覚っていうのはありました。ただお肉を演出するのに全くの素人が、人脈もなく、説得力もないのでは出来ひん、ってのがエントリーです。それをやるためには、どうしたら良いんか?って下ろしてって、今の”六花界が出来てきました。
いつも自分の中で『だけど』ってのをいっぱい突っ込んでるんです。立ち飲みだけど焼き肉、焼き肉だけど安い、安いけど美味しい、美味しい焼き肉だけど日本酒。『だけど』を積重ねていく事で、自分の中で宿題が増えていくんですよね。『だけど』っていう逆説を持ってくるというのは、世の中にないものを持っていく。結果的にそれが人がやっていない事をやる事になるんです。
これはお客さんに喜んでもらえること?というのを、自分の中で一個一個考えていくとロジックが出来てきて、それを足していくと、自分がやりたかったことに繋がっていくんじゃないかというくだりで、”六花界”を作ったんです。そんな感じで作った”六花界”が他とちょっと変わっているのは、女性率の高い焼き肉になったことです。多分その理由は、女性に見られる事を常に意識し、色気っていうのを考えています。そうすると自分達の振る舞いっていうのが変わってくるんです。あれがもしおっさんばっかりやったら、多分このお仕事も絶対に戴けていないですし、お店として”初花一家”は作れていないですね。女の子が多い店を作れた結果、今のここに来たんじゃないのかなと思えますね。」

『だけど』というキーワードで言いますとTENGAも、オナニーグッズだけどスタイリッシュ、オナニーグッズだけど一般性を持ったプロダクト、という事で始まっているんですが、森田さんはそこに共通点みたいなものは感じますか?

そういう意味では、”だらけ”かな。TENGAっていうものはTENGAだし、”初花一家”は初花一家で、焼き肉じゃないと思うんですよね。それで追随するとこってのも出てきますが、多分パイオニアはパイオニアなんですよね、きっと。足していくっていう感性より、全く違う事をしてきはったと思うんですよ。TENGAでいうとビジュアル、デザイン、価格帯、コンセプト、実用した時のフィーリング、その他の物とは全く違うものですよね。僕らが店を作る時は、目の前で捌く、焼き方の秒数を制限する、日本酒をもっていく、エンターテイメントの様に舞台として仕上げていく、お客さんの声を聞く、この同じような5つの柱で持っていく考え方って、TENGAさんで言ったらアダルトグッズ業界、うちで言ったら焼き肉では今まで無かったんでしょうね。そう考えると僕らはそれがあったのかもしれませし、偉そうな言い方をすると気付けたのかもしれないですね。」

どんどんお店の人気が出てくると、さらにお店に入れないというお客さんが増え、もっともっとお店を増やさないといけない状況が出てくると思うんですが、今後のビジネスの展開はどうお考えでいらっしゃいますか?

「『店舗の数を増やしていく』って言うた方が、多分取材的には物凄くエキサイティングに取りやすい事だと思うんですけど、去年出版社さんから本を出させて頂き、そこにも書いたんですけど、もう店舗数を増やすってのは本当にないなと思っていて、予約の数も増やす必要もないと思っているんで、メディアでお店の住所を出す必要も全くないと思っています。
でも海外には出たいです。自分が日本で培ったこの感性と、見せ方っていうのを、日本の人は喜んでくれている。では、アメリカの人は?アフリカの人は?もっと離れたとこで焼き肉を食べたことがない人達は?確かにそこで食べられている物は『肉』なんです。でも僕の中では、肉として表現しないという事が物凄く大事なんです。うちのお店で野菜を一切食べていない事に、誰も気づかないまま帰って頂いているこの板前のスタイルっていうのを、海外の人に食べてもらって、どう思ってもらえるのかなっていうのを、僕は物凄く試してみたいですね。それも一般の方にです。いわいるお金を持っている方に試して頂くっていうのは、彼らは舌が肥えているんで凄くイージーです。でも、全く訳もわからへんと、年がら年中インドでカレーしか食うてない人がこれを食べた時に、どうなんねやろ?ってのを試してみたいです。」

それはご自身が現地へ?

「僕がです。現地の言葉も覚えて。例えば、これを”グラス”って言った方が良いか、”お猪口”って言った方が良いか、”コップ”って言った方が良いか、どれが一番お客さんの心に響くのかっていうのを、その場のタイミングで全部変える必要があると思うので、それを現地の雰囲気、現地の言葉で、もしかしたらそれは日本語になるのかもしれないですけども、やってみたい。と思いますね。」

夢は広がりますね!他の焼き肉店とは形態の違う森田さんのお店ならではのエピソードはありますか?

「”六花界”はメディアにも取り上げられるぐらい、出会いが非常に多いんです。それはどういう事かって言いますと、”六花界”は厨房、トイレを含めてたったの2.2坪しかない、とってもとっても小さいお店でございます。小さいお店になりますので、お客様が入ってくるのを僕らは制限をするんです。当然ですけども、酔っ払って入ってくる方をまず入れない。あのような小さな店構えですと、入ってくるお客さんの一体感が出てしまって、いわいるまともな人が入って来れなくなってしまうんです。ですので、入りたい入りたいって思って頂いている、いわゆる潜在的なユーザーっていうのを、僕らは増やしています。酔うた勢いで入ってくる、酔払たら入ってこれるというお客さんはうちには要らないんですよね。うちにどうしても入りたい、ずっと入りたいと思ってた、3ヶ月待ってようやく今日勇気を出して入ってみましたというお客さん。この方々っていうのは、僕らの言うことを受け入れてくれるユーザーなんですよね。僕らが上に立てる訳でもなんでもなく、少なくとも同等に立つことが出来る状態。それをやっていくと結果的に良いお客さんばっかり残っていく。良いお客さんと良いお客さんが入ってくると、それは男女としての行為に発展していく。この4年間で80組ぐらいのカップルの報告があり、そのうちの9組が結婚を報告してくださっています。」

4年で9組結婚ってのはスゴいですね!

「嬉しいですね。その中に手相を見られはる男性のお客さんが居られまして、このお客さんが女の子の手相を見てあげるって言うて。その女の子が手相を見てもらったお礼にお肉を全部焼いてあげたと。そのお二人は、その日に会うたまんま同棲を始めて結婚しはったんです。これはなかなか他ではないエピーソードですよね。」

焼き肉って男女の関係深めますね。

「やっぱり肉っていうのはエロくあるべきだと思っているんです。お肉ってエロいもんなんですよね。自分はホンマにそう思ってます。”初花一家”は鶯谷というとこにありますので、カップルさんが来られた時には必ず、『どうぞ裏にホテルの方がございますので、帰りには寄っていって頂けると。そうですね、まだショートには間に合うかもしれません』みたいな話しもさせて頂きますね(笑)」

TENGAを知ったのはいつ頃ですか?

「ホント出て来た当初ですよ。2005年の冬には知ってましたね(2005年7月7日発売)。当時はスゴい拡散でしたよね。僕は大阪の難波のど真ん中に住んでいたいので、知る機会も早かったんだと思いますね。スゴいスタイリッシュだし、清潔感があって、初めてお店で見た時『これ何!?』ってなって。その後に雑誌でも見て『これってそういうグッズなんだ。へー。』からスタートしました。相乗効果ですよね。友達の周りでもめっちゃ話題になってて。」

TENGAに関するエピソードはありますか?

「もらうことはめっちゃありますね。特にバレンタインではチョコとTENGAをめっちゃもらいましたね。『この子はHARDタイプくれんのや』とか、『この子はEGGなんや』とか、プレゼントしてくれる子のTENGA診断みたいなのを勝手に自分でしちゃいますね(笑)。ただ清楚なタイプの女の子がくれた時の上がりっぷりは半端ないです!『この子が!!』みたいな。あんましゃべれへんタイプの、髪の毛も黒くて普通のOLって感じの子が、ちょっとこれウケ狙いですよって感じで渡してくるのが可愛いんですよ。僕は勝手に、これは多分セックスアプローチだと思ってるんですけどね。」

・著作
大繁盛の秘密教えます! 激セマ立ち飲み焼肉店「六花界」だけに人が集まる理由

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森田隼人(もりたはやと)
モリタ空間デザイン事務所 CEO/COO
1978年7月15日生まれ

大阪府に生まれる。近畿大学を卒業後、建築関連の会社に就職し25歳で独立。デザイン事務所「m-crome」設立する。飲食のスタートは2009年7月。神田のガード下に『激セマ立ち飲み焼き肉店「六花界」』をオープン。2.2坪の飲食店に年間1万2千人が来店する人気店となり、TV・雑誌などメディアにも多数取り上げられる。その後、「初花一家(はつはな)」「吟花(ぎんか)」「五色桜(ごしきざくら)」をオープン。日本酒をこよなく愛し、日本酒の普及活動も行っている。多彩な才能を持ち、プロボクサー、トレーナー、モデルとしても活躍。建築デザイナーとしても活躍している。

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